私の電動ラジコン飛行機の動画、製作を紹介
今回は片岸さんの基本設計を元に3Dデザインを行い、そこから各パーツを切り出すということに挑戦してみました。特に胴体のような曲面がある場合、胴枠の切り出しはやっぱり3Dからだと簡単にできます。
片岸さんからは、重要な基本3面図(大きさ、胴枠の位置、翼型など)を設計してもらいました。翼型、水平尾翼の取り付け角度、主脚の位置などいろいろ悩まれたようですが、結果は、フライトはすばらしく素直な飛びをするほど、良い結果でした。
3Dデザインソフトはいろいろありますが、以前T4の部品を作成した時にも使用したアニメーションソフトBlender(ブレンダー)2.7(2.8)を使用しました。オープンソースで無料で使用でき、Mac,Windows共動作します。アニメーション作成ソフトなので、本来の目的とは異なりますが、これで十分に設計できると思ったからです。ギヤなどの部品を動かしてシミュレーションできるのはとてもよかったです。
どの3Dデザインソフトでも使いこなすまではかなりの勉強が必要かと思いますが、今回はこのソフトの使用方法を調べるのにかなりの時間を費やしました。しかし、これに慣れると非常に使い易く、編集、表示スピードも落ちることもありませんでした。
今回私が行った設計について、書いておきます。(あくまで参考として見てください)
このソフトの内部の単位=1(ブレンダー)を持っているようで、これを1(ブレンダー)=1(メールトル)とも指定できるようですが、これが正しい方法かはわかりませんが、1(ブレンダー)=1(ミリメートル)としました。(初期値のままで何も設定等はしていません)これにより各オブジェクトの大きさを示す数値が全てmmとして見ることができます。
理由は、3Dデータ情報をDXFファイル、STLファイルに書き出しした時にそのまま設定変更を何もせず(一般的にmm単位なのでしょうか)移行できます。しかし、ソフト内部ではとても大きなオブジェクトとなるようで3Dビューの見える範囲を広げる(設定の)必要があります。
設定方法は、N(キー、プロパティ)> View > Clip の End:の値を大きくする。
何を先に基準にして3D設計していったかというと(これが正しいとは思いませんが)各胴体、主翼等の表面を作成しました。(これが全ての基準です)胴体はプランク材の内側のみの表面、主翼は翼型を元にプランク材(1.5mm)の内側と外側の表面の2つです。内側はリブなどを作成するためのもの、外側はジグを作成するためのものです。
事前に動かしてシミュレーションできることはとても重要で、実際にやってみて、良かったです。得に今回は、ギヤドアをサーボを使わず、リンケージのみで動かすことにも挑戦したので、この設計段階でシミュレーションできたことはあとの製作工程で非常に簡単にできました。設計通りに動いてくれた時はうれしかったです。
このソフトはアニメーションを作成するソフトなので、オブジェクトを動かすことは簡単だろうと思っていました。人間でいう骨(ボーン)を定義して、各部品を動かすようですが、私はそこまで使えませんでした。今回は各部品の親子関係を付けて親を時系列で動かすようにしました(例えば、タイヤをローテートさせる場合は、脚の軸を親に、子をタイヤにして、親の軸を開始フレームから終了まで0度から90度にひねるといった感じです)
3D設計データから部品作成の為に
ができること確認しました。今回は「DXFファイルへの書き出し」だけですが、このソフト内部で3Dから、2Dのイメージを作成してそこからDXFファイルを書き出しています。
このソフト2.7のDXFファイル書き出しプラグインでは、数多くの部品を並べていっぺんにDXFファイルの書き出しをしようとすると書き出しできない部品がありました。(数が少なければ問題ありません。この場合は別なblender文書にコピーして個々で書き出しを行いました。)
書き出しした2Dデータは短い直線の集まりとなっています。ベジェ曲線ようなスムーズな曲線ではありません。ですので、胴枠のインテーク部分などはギザギザ曲線となっています。これは、3Dデータの表面(サーフェース)を元に作成しているからなのですが、この表面を作成するときの密度を上げれば、それなりに細かくなります。しかし、どうしても2Dデータでは短い直線の集まりとなりますので、気になるところは、2Dデータから部品カット図面を作成するときにベジェ曲線等に修正するしかないように思います。
部品はレーザーカットすることを前提にしていますが、レーザーカットする場合、カットする対象物によりカット部の幅が異なります。(レーザーの出力、スピードが異なるため)また部品との結合部も考慮する必要があります。今回は、厚めの10mmバルサカット以外はこのレーザカット幅をまったく考慮せず設計しました。結果、少しはめ合わせが緩い部分は発生しましたが製作には問題ありませんでした。
斜めカットができれば、ベストなんですが、今回の主翼はスパーとリブが斜め交差します。そのため、斜めに組み立てるにはそれだけのカット幅を持たせる必要がありますが、接着面も考慮する必要があります。組み立て時、あとから各パーツを斜めにカットすることはちょっと大変なので、今回はその接着面を0.5mm程度(組み立て前にサンディングを少しする程度)にしました。組み立てた感じですが、もう少し接着面を多めでも良いかな思いました。
胴体、主翼、水平、垂直尾翼を作成する為のジグも作成しました。水平尾翼を取り付けるジグも設計・作成しましたが、私のは失敗でした。結局、片岸さんが設計したジグを使いました。
主翼には、2つのフラップとエルロンの3つの動翼がありますが、その接合部(ヒンジ)をどうするか、二人で話し合いました。よくあるクサビ型にすると、隙間があまりにも大きくなるので、今回は棒ヒンジを使うことにしました。
使用した棒ヒンジの部品です。
ダクトパイプの展開したイメージですが、このソフトでは3Dデータから展開したイメージは出せるのですが、正確ではありません(物に色付けする為の展開情報「UV展開」のようです)、他のプラグインで展開図を作成してくれるものを見つけましたので、次回また挑戦してみようと思います。
今回は、全てプロトタイプから現物合わせで作成しました。
参考ページ
通常、胴体などは左右対称なので胴体左右どちらかの半分を設計すれば良いことになります。しかし、リンケージ、サーボ位置の場所の確認、他の部品との干渉も含め、胴体は丸ごと部品を作成しました。主翼は片翼のみの設計です。
3Dデザインですが、いろんな意味では良いのですが、基本全ての部品をコンピュータ上に作成しますので、非常に手間がかかります。2D設計では頭の中で3Dイメージ(設計)して、それを最終的な部品作成イメージで2D製作しますので、無駄が無いようにも思います。
今回、3D設計時に私なりの細かい部品、構成等を考えて、プロトタイプを事前に1回作成しましたが、師匠でもある片岸さんからは修正が必要なご指摘を20件以上いただき修正して現在の設計(機体)になっています。機体の設計力はまた別に経験が必要ですね。(片岸さん、ありがとうございました)
片岸さんの機体
私の機体
他に、細かい点として、
・主翼、エレベータ、ラダーののサーボベット部品、主翼とエルロン部の結合の構造
が異なっています。